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ダミアン・コモッリの功罪

先日に行われたCLグループステージのインテル戦。前半に4失点を喫したトッテナムの屈辱をほんの少しだけ和らげたのは、後半だけで
ハットトリックを達成した若きウェリッシュ・スター、ギャレス・ベイルの胸がすくような活躍ぶりだった。先発を確保した昨季中盤~現在に
至るまで、状況に応じて左サイドバック、左サイドハーフと両方の役割を果たしながらも、そのいずれでも印象的な活躍を見せていた彼の
充実ぶりが正に顕著に表れた素晴らしいパフォーマンスでした。遂にCLという世界中が注目する大舞台で強烈なインパクトを与え、一躍
スターダムに躍り出た感のある彼が、複数クラブの争奪戦の末にトッテナムに加入したのは2007年夏。当時、若干16歳の若武者だった。

ベイルの獲得を推し進めたのは当時のトッテナムに存在したSD(スポーツ・ダイレクター)の要職に就いていたダミアン・コモッリである。

(左がトッテナムの会長であるダニエル・レヴィ、右が当時のSDを務めていたダミアン・コモッリ)

コモッリは元は宿敵アーセナルで1996~2004年までスカウトを務めていた人物で、C・トゥーレ(現マンC)、エブエ、クリシらを獲得、
ピレス、アンリ、ファンペルシらアーセナルの主力を担う選手を数多く発掘してきたことで知られていた。その後サンテティエンヌの
テクニカル・ダイレクターを経て、2005年に前任のSDフランク・アーネセンのチェルシーによる「強奪」を受けたトッテナムに、若干33歳の
若さでSDに就任した。結局、2008年10月のハリー・レドナップの監督就任で、ファンデ・ラモスと共に解任の憂き目に遭うのだが…。

■補強におけるイングランドスタイルと欧州式の違い(※一般的な分類なので、この限りではありません)
・イングランド式 
基本的には監督が選手の獲得やスカウティングにおいて全権を握る(監督が望む選手をボードに提案)
ファーガソンやベンゲルのようにクラブの重要事項にすら立ち入れる程の権限を有してGM(ゼネラル・マネージャー)的な仕事を
兼任してる場合もあり、当時のトッテナムのように監督とSDが存在し、補強はSDが担当するというのは極めて稀なケースである。
・欧州式     
補強やスカウト活動はSD(場合によってはDOF=ディレクター・オブ・フットボールとも称する)が担当。(SDが獲得選手リストを作成)
アーネセンの後を継いだコモッリはヨル、ラモスの2人の監督の下で仕事をしたが、監督との強化方針での意思疎通が上手く図れず、
(ヨルは後に、コモッリとの間に問題が生じていたことを告白している)なかなか結果が伴わず、やがてクラブは降格圏に沈む程の大不振。
遂にクラブはSDの失敗を認め、イングランドスタイルへの回帰を決断する。(聞くところによるとレドナップはトッテナムの監督就任の
条件の一つとしてSDの廃止と、補強の権限移譲を求めたと言われている)。結果的には、立て直しに成功し、その判断の正しさを証明した。
個人的にも上手く機能していなかったSDの職を廃止するという方針には賛同したし、低迷からの復活→CL出場の主要因とすら思っている。

欧州式のように分担することで監督の負担が軽減され、補強のスペシャリストとしてSDがきちんと機能すれば言う事は無いんですが、
正常に機能させるには会長以下ボード、監督、SDがしっかりと同じ道筋(長期的、短期的プラン)を描き、意思疎通を図る必要がある。
それが、当時のトッテナムは上手くいかず、獲得・放出を繰り返した割にはビジネス面では大きな損失を伴っていないものの、
成績としては芳しい成果を挙げられず、サポーターもこのSDの存在そのものに疑問を呈する者も少なく無かったという経緯がある。
クラブが結局2008年にSDを廃止、イングランドスタイルへの転換を果たしたことで、現在は正しい方向に進みつつあるという点からも、
SDを置いた体制が失敗だったのは明白ではあるのだが、SDが、もっと突っ込んで言えば、コモッリが果たした役割を再評価する価値は
ありそうだ…と、コモリの解任(SD廃止)からちょうど2年たった現在ふと思い始めている。あの頃は全然結果が出なくて、ともすれば
憎たらしい存在というだけだったコモッリが、当時のSDという要職が現在のチームに残したもの。それを改めて考えてみたいのだ。

・2004年~現在までの主な獲得選手 (※水色の下地は現在もクラブに在籍している選手)
獲得選手リスト

上記に示した図は2004年~現在に至るまでにトッテナムが獲得した選手。(主な選手を記載したので漏れてる選手も数名いますが…)
※コモッリと比較する為の材料として前任のSDであるアーネセンと、現在監督のレドナップが獲得した選手も記載してみました。

改めてまとめてみると、意外にも現在のトッテナムの中核を担うメンバーはコモッリ主導によって獲得した選手が少なくない事が解ります。
もちろん、アーネセンがトッテナムでSDに就いていたのはわずか1シーズンですし、彼が退任してから5年が経過していますから
現在の在籍選手が少ない事はある意味では仕方ないことですし、レドナップが獲得したのはここ2年なので、当然ながら在籍も多い。
しかし、コモッリ解任時には完全に失敗の印象があった仕事ぶりですが、こうして改めて眺めてみると、SDを置く体制こそ失敗したものの、
コモッリの「選手の能力を見極める眼力」という点においては、ある程度信頼を置けるものだったのではないか?と感じざるを得ない。

■コモッリがトッテナムのSDとして働いた3年間を再評価してみる
・チームの核となる主力選手の放出→獲得
2006年にはキャリックをマンUに放出、多額の売却益を得てゾコラ、ベルバトフらを獲得
2008年にはベルバトフをマンUに、キーンをリバプールに放出、多額の売却益を生み出しその夏に大量8選手を獲得

→2006/07シーズンは5位に入ったので合格点、しかし、2008/09シーズンは前半戦最下位に沈む大不振でラモス解任の大混乱、
レドナップ就任で立て直し8位でフィニッシュも欧州戦出場を逃し、補強策の失敗は明らかで自らも解任される。

獲得した選手も、期待されたゾコラは奮闘したがサポーターを満足させるには至らなかった印象で、エコトは凡庸な働きに終始し、
期待のセレソン、ジウベルトはろくに働かずクラブを去り、起用法に不満を抱いたガリにはユニフォームを投げつけられる始末。
カブールは1年で放出され(その後レドナップにより再獲得)、ジオバニは出場機会すら得られず(彼の場合は今もだが…)、
ゴメスはプレミア史上最悪のGKというレッテルを貼られる程に不安定で、パブ、モドリッチも順応に手惑い、ベントリー、ベントは
高額移籍金に見合う獲得をしていないというのが大方の評価だった。唯一当たったのがベルバトフだったが、2年でクラブを去る事に。

・若手有望株の大量獲得
クラブの方針に則りガンター、ターラブ、ボアテンク、デルビテ、ベイル、アルニックら若手有望株を相次いで獲得

→どれも泣かず飛ばずで結局トップチームに定着出来ず。ガンター、ターラブ、ボアテンク、デルビテはそれぞれ放出された。

ベイルもそのうちの一人なのだが、当初は大怪我もありなかなか出場機会が得られず、得られても満足な働きが出来ないままでいた。
彼が出れば勝てないというジンクスまでつく有様で、ポテンシャルこそ高かったものの、現在の活躍を信じた人が当時どれ程いたか…。

こうして改めて振り返ると、当時は散々な有様で解任もやむなしだよな…と(苦笑)ただ、コモッリにだけ責任をかぶせるのは、
少々気の毒な面もあります。無論、コモッリが主導したとはいえ、獲得・放出を最終決定するのは会長以下ボードですからね。
そして、今回コモッリの仕事ぶりを再評価するに当たって押さえておかなければならないのが、トッテナムの補強方針の「縛り」です。
これは当時のトッテナムの補強に際してのスタンスだったわけですが、現在でも当てはまる部分がほとんどなので今後の移籍市場を
迎えるに当たって、ある程度指標となり得るものだと思うので、参考程度に併せてまとめておきます。

■トッテナムの補強における基本的なスタンス・特徴 (あくまで過去の傾向からの僕なりの推測ですが…)
1.それなりの資金力を有するとはいっても、ビッグクラブとマネーゲームをして打ち勝つ程の資金力は無い
派手な補強を繰り返しているイメージはあるが、過去の移籍金レコードはベント、モドリッチに費やした£1650万が最高と高くない。
しかも、それらも選手の売却益を元手にしてる為、収支としては大幅なマイナスになっておらず健全な経営を維持している。
オーナーのポケットマネーを頼みに補強を繰り返したり、大赤字をCL出場の収益で補う自転車操業的なクラブとは対照的なケチぶり。

2.将来的に売却益を見込めない年齢(30歳以上)の選手には高額な移籍金をつぎ込むような獲得に動かない
3.将来的に売却益を見込める(投資の意味合いも強い)若手有望株の獲得に注力せざるを得ない
前述した通り、トッテナムの獲得は選手の売却が前提とされてる場合が多い。当然ながら、獲得資金をねん出する為に、出来るだけ
「安く買い、高く売る」方針を維持せざるを得ない。転売がきかないリスクを伴う高齢の選手は、破格の安価でない限り考えにくい。
となれば、獲得に向かうのは若手有望株となってくる。比較的安価で若手を獲得し、獲得時の何倍かの移籍金で放出が実現すれば、
クラブの財政面は潤うし、補強で多額の損失を計上するリスクが少ない。(例:ベルバトフは£1000万で獲得、£3000万で放出) 
まぁ、ベルバトフの場合は27歳だったけど、10代で獲得して育てビッグクラブに売れば、思わぬ金の卵となり得ますからね。

4.週給には一定のリミットを設けて、チームの週給バランスを崩す提示は行わない
5.CL出場権があるビッグ4(マンU、チェルシー、リバプール、アーセナル)にワールドクラスの選手が集中しやすい
必然的に獲得は準ワールドクラスに限られてしまう。また、主力に成長した選手へのビッグクラブの引き抜きに対抗出来ない

当時のトッテナムは2年連続でリーグで5位を達成したものの、ビッグ4の壁は厚く、その大きな壁を崩す事が出来ないでいた。
当然、ワールドクラスの選手はCLに出場したいと考える為に、トッテナムのような中堅クラスにはほとんど見向きもしないのが現実。
必然的に、(今後ビッグクラブでの飛躍が期待される)将来有望な選手、ステップアップを目指してる選手の獲得に向かわざるを得ない。
完成された選手ではないため、それだけ補強に失敗するリスクが高い印象がある(ワールドクラスでも失敗例は多いのだが…笑)
高齢でトップクラスの選手は高額の週給を得ている。先日ルーニーが週給£20万で契約延長しているが、トッテナムではあり得ない。
彼の週給だけで、トッテナムでは軽く3~4人は雇える。アデバヨルの£17万も同様。トッテナムの最高給はせいぜい£6~7万程度。
よって、主力クラスにビッグクラブから引き抜きの話が出てきた場合、週給アップ、更なる名声を望む選手を保つのが困難となる。

現在はCL出場権も得たし、コモッリ在任時とは状況がやや異なりますが、当時は若手獲得に舵を切る時期だったということもあり
ビジネス面はともかく、成績には直結しなかったのがコモッリの罪としてクローズアップされたわけなんですが、こうしたトッテナムの
補強方針の制約を踏まえれば、コモッリの数々の失敗も、ある意味では仕方ない面もあるのかな…と思えてくるから不思議です。

SDという要職を置き、補強を任せた方針はある程度の成果を除いては、概ね失敗であったという評価は今でも変わらない。
SDがもたらした様々な混乱で結果的に首を絞めていたのは事実で、長らく低迷を打破出来ない要因になっていたと思うからだ。
しかし、コモッリが獲得した選手の多くが、CL出場権を獲得した現在のチームの中核を担うまでに成長を果たしたのも紛れも無い事実だ。
もちろん、レドナップが巧みな人心掌握術で燻っていた選手たちの多くを再生し、戦える集団に生まれ変わらせた現在だからこそ言える
後付けの理論であるのは百も承知である。しかし、解任した2年前と現在ではコモッリの印象が僕は少し変わってきているかもしれません。
エコト、カブール、モドリッチ、チョルルカ、ハットン、パブ、ゴメス、ベイル、ベントリー、ジオバニらコモッリが獲得した選手達。
確かに失敗は多かった。今でも主力になれずもがき続けている選手もいる。だが、解任時に燻っていた選手の多くが今やチームの主力だ。
彼らの現在のトッテナムでの成長を、躍動する姿をコモッリはフランスの地でどんな思いを抱き、見つめているだろうか?
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【第9節】 トッテナム vs エバートン

イングランド・プレミアリーグ10/11 9節

Tottenham 1 - 1 Everton 
         
Stadium:ホワイトハートレーン

              前半   後半   合計                               
トッテナム  1  0  1            
エバートン  1  0  1
得点
Spurs:ファン・デル・ファールト
Toffees:ベインズ

1011 9
Subs:Cudicini , Bassong , Jenas , Kranjcar , Keane


共にリーグで2連勝中、3連勝をかけて激突したトッテナムとエバートンの一戦でしたが、お互い見せ場に乏しい低調な内容に終始。
両チーム共に単純なミスが頻発、神経質な主審のジャッジが続きストレスと疲労だけが色濃く残るドロー決着と相成りました。

う~ん…。なんだかなぁ。なんともマッチレポ泣かせの試合でございます。見どころも少なかったですし、4位以内を争うべき
強豪同士の一戦にしては不満の残る内容だったという印象。数少なかったハイライトをピックアップしつつ、気になった部分を幾つか。

■「二足の草鞋」は言い訳にするべからず
水曜日にCLインテル戦の為にイタリアに遠征し、中2日で行われた試合。しかも普段より開始が2時間程早い、ランチタイムキックオフ。
トッテナムとしては非常に厳しい条件でした。まぁ、ホームなので幾分はマシでしたけど明らかにチーム全体の動きが重かった。
これ、ホームだから助かったもののアウェーだったらやられてたかもしれないな…と思っちゃうほどにパフォーマンスが悪かったですね。
苦戦した要因は恐らくは「疲労」という一言に尽きるのだと思いますけど、こればかりはビッグクラブの宿命ですし、CLに出てる
クラブは同じ条件で毎年戦ってるわけなので、言い訳は出来ません。というか、これは言い訳にしてはいけない要素だと感じます。
確かに今季は初めてのCLとリーグ戦の並行。疲労も蓄積するだろうし、コンディション調整が難しいのも解る。でも、それをふがいない
戦いぶりの言い訳にしているうちは、CL出場の常連も、プレミアリーグで優勝争いするのも無理だろうなと敢えてハードルを上げたい。
今までは中位で4位に入るのが目標だった。今季は、今後はこの4位が最低ライン。チームに求める要求は当然高くなって然るべきです。
で、この試合。残念ながら「二足の草鞋」による影響でパフォーマンスが低下したというのが顕著に表れる試合となってしまいました。
ここら辺は、今後も同様のシチュエーションが少なくともあと3試合はやってくるわけなので、乗り越えていかなければいけない。

■省エネロングボール戦法の誤算と幸運
疲労によりチーム全体のコンディションが低い時にいかにして戦い、最低限の結果を残すか?これはトッテナムに限らず、ビッグクラブは
どこも抱えている命題だと思うんですが、この日のトッテナムは「クラウチへのロングボールを徹底」という選択をしてきました。
この選択自体は悪くないと思います。昨季も一時期、クラウチへのロングボールに頼り過ぎていた時期がありましたけど、
試合内容がつまらなくなるのと引き換えに、(特にアウェーでは)最低限の結果は残せていたし、体力の消耗を抑える事が出来ていた。
中盤が走れない、攻守の切り替えが遅いとなれば、単純にクラウチの高さに頼って最小限のリスクで「効率的に」チャンスを作り出そう
というアプローチは決して悪くはないと思うんですよ。今季は特にクラウチの高さからラフィーに落としてゴールという必殺パターンが
生まれつつあるので尚更。もちろん、こればかりに頼り過ぎるのはよろしくないんだけど、こういうシチュエーションならばアリです。
当初から放り込みを狙ったのか、試合状況でそれをせざるを得なくなっただけなのかは解りませんがね。前者だったとは思うんだよな。

が、この日はそれが完全に封じられてしまいます。これが一つの誤算。クラウチには徹底して2人がかりでマークしてサンドウィッチの如く
挟み込み、自由にジャンプする事はおろかボールすら触らせないぞ!という気迫のこもったエバートン守備陣に手を焼く場面が頻出。
ともすればファールじゃねーの?と思うぐらいに、クラウチがジャンプする瞬間に体ぶつけてみたり、何気に押してみたりで(笑)
なかなか思うようにクラウチが競り合わせて貰えなかった。CBの二人、ディスタンもジャギエルカも集中してたので苦しかったです。


そして、セットプレー時のエバートンの守り方が特徴的で面白かった。横一線に5~6人が並ぶんだけど、全員が手を広げて等間隔で
立って絶妙な距離感を保ち、ゾーンを巧くカバーしていました。似たように守る形は見るけど、ここまで徹底してきたのは珍しいな…と。
ホント、ほとんど全てのセットプレーの場面でこの守り方やってました。手を繋ぐぐらいの勢いで。モイーズ流「連環の計」と名付けよう。

クラウチがなかなか競り合わせて貰えず、前線でボールを収める事が出来ないので、当然中盤からの押し上げが上手くいきません。
ベイルは疲労からかキレが無く、P・ネビルの堅実な守備の前に沈黙。レノンはほぼ空気で、守備面での貢献を多少した程度で低調。
サイドバックのP・ネビル、ベインズも攻撃よりも守備に重きを置いてベイル&レノンを完全に封じることに成功してましたね。
この日はピーナールもサイドではなく中央に配置して、突破が魅力のコールマンも守備に奔走していたため、サイド攻撃は死んでたものの、
それはトッテナムも同様で、お互いがサイドからの崩しが出来ず攻撃が停滞、前線が孤立という似たような状況でがっぷりよつといった気配。
そうなると流れの中からの得点の匂いはしてこないので、頼りは飛び道具ということになる。で、しっかりモノにしたのがエバートン。

絶好の位置でFKを得たエバートンのキッカーは左足のキック精度の高さに定評があるベインズ。鋭く曲げたボールは素晴らしい軌道を
描いてゴール右隅へ。これは見事なFKでしたね。あれは世界中どんなGKでもお手上げだと思います。素直に脱帽するしかない。ゴラッソ。

最近は先制される試合が多いんですが、またしても追いかける展開に。しかし、今季はリードされてもすぐに取り返せるのが強み。
前節のフルアム戦は失点した1分後でしたが、この日は3分後。攻撃参加したハットンがクラウチをめがけてクロスを入れると、
焦ったGKハワードが目測を誤り触れず、クラウチのお腹あたりに当たったボールがラフィーへの絶妙な折り返しになる幸運が舞い降りる。
図らずもこの場面だけ、クラウチの落としからのラフィーという黄金パターンがハマる。なんという幸運。神様ありがとう。1-1。
まぁ、クラウチの尋常じゃない高さという武器があるからこそ生まれた幸運なんですけど、形はヘンテコでも1点は1点ですから。

クラウチはこれ以外に仕事は出来なかった印象。いつにもなく前線でボールをキープ出来なかったし、絶好機もヒョロヒョロシュートで
潰えたし。彼自身、リーグ戦でのゴールは昨季終盤のマンC戦以来無いので、ストライカーとしての評価は相変わらず高くないですけど、
CLプレーオフでは爆発したし、この日のアシスト?含めて今季のラフィーの4ゴール中、3つはクラウチのお膳立てという事を考えれば、
やっぱりレドナップが重用するのも解る。決して満足ではないけど、適正が無い1トップで及第点の働きしてるので外せないだろうな。

■色々と試しては見たものの…笛吹けど踊らず
前半はお互いにシュートが4本ぐらいだったかな。退屈な試合でほとんど見せ場もなし。で、後半はというとこちらもさほど変わらず。
後半頭から前半に一枚イエローを貰い、出来もイマイチだったパラシオスに変えてサンドロ投入、70分辺りにはパブを投入して
4-4-2へと移行など手を打ったレドナップですが、試合の流れを変えるには至らず。むしろ、首を捻りたくなるような謎采配だった印象。
特にあれ?と思ったのがベイルの起用法。4-4-2移行後、なぜか右サイドにいることが多かった。ラフィーはどちらかのサイドに置いても
あまりポジションに囚われず動き回るので、たまたまそうなっただけのような気もするんだけど、あまり効果的では無かったですね。
ベイルは前半からイマイチな出来でしたが、マークも厳しく中に追い込まれる場面が多かった気がするので、切れ込んでも左足で
シュートを放てる右に置いてみてはどうだろ?と試してみたのかもしれない。けど、ちょっと疲れてたので思い切ってニコを入れる
選択肢もあったとは思います。というか、ベイルに休養を与える事を示唆してたのに結局先発させた辺りベイルは外せないんでしょうね。

確かにベイルの働きぶりは素晴らしいんですが、彼に依存し過ぎるのはかわいそうかな…と。少し休ませてあげたい気はします。
この日こそ、ニコの出番だろ?とは思うけど、こればかりは「相対評価」なのでね。ニコを干してる、信頼していないという類いではなく、
現段階ではニコの起用<ベイルやラフィーの起用という判断なのでしょうね。信頼してるからこそ、ベンチには置いてるわけですし。
ただ、やっぱりファンとしてはそろそろニコを途中起用でもいいから使ってもいいんじゃないか?とは思ってしまいますよね。
途中から出てきて流れを変えるようなタイプじゃないけど、出場には飢えてるだろうし、そういうパワーがいい方向に転がってくれれば、
チームにとっても彼にとっても大きいとは思うんだけどな。ここら辺はこの日はベンチにすら入れていないベントリーにも言えるけど。
全体的に疲れが見える状況で交代カード1枚使わなかったのももったいなかったしね。最近は動きが早く、それなりに当たってる
ハリーの采配をついこの間に褒めたばかりですぐに苦言を呈すのもアレなんだけど、この日はチグハグだった感は否めないところです。

ということで、1-1のドロー。厳しい日程、相手が強豪エバートンという事を踏まえればドローは悪く無い結果とは言えます。
ただ、エバートンの出来もあまり良く無かったわけで、こちらのゴールも相手GKのミスによるもの。なんとか拾った勝ち点1では寂しい。
今のところ上位にはいるけど決してチーム状態は良くないと思いますし、執念や情熱といった類いのこちらにも伝わってくる「何か」が
この日に限らず今季のトッテナムには物足りないような印象は否めません。次のマンU戦では死にものぐるいの戦いでポイントを奪い、
インテル戦に繋げて欲しいな…と思います。今のトッテナムに必要なのは戦術やシステム云々よりも「闘う気持ち」だと思う。
疲れていても、相手がどこでも何が何でも勝利を奪うのだという気迫。こういうのはたかが「精神論」とバカに出来ないですよ。
苦手なオールドトラッフォードですが、そういうアドレナリンが爆発して予想に反した戦いを見せてくれることに期待したい。

今日のGood モドリッチ。低調なチームの中で一人気を吐き、言葉では無く戦う姿勢でゲームキャプテンとしての存在を示した。
今日のBad  レノン。エバートンの巧みな守備もあったが、彼のサイドの攻撃は完全に消され、仕事が出来ないまま途中交代。

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【CL グループステージ】 トッテナム vs インテル(A)

UEFA・チャンピオンズ・リーグ10/11 グループステージ

Internazionale Milano 4 - 3 Tottenham 
         
Stadium:ジュゼッペ・メアッツァ

              前半   後半   合計                               
インテル  4  0  4             
トッテナム  0  3  3
得点
Spurs:ベイル3
Inter:サネッティ、エトオ2、スタンコビッチ

1011 CLGS3
Sub:Kaboul, Bentley, Kranjcar, Pavlyuchenko.


いよいよやってきたCLグループステージの大一番。昨季欧州王者インテルのホーム、ジュゼッペ・メアッツァに乗り込んだ一戦は、
予想外の展開に。前半怒涛の猛攻を受けて4失点喰らいながら、数的不利の中で3点を返す粘りを見せたものの力及ばず敗戦です。

いやいやいや…久しぶりにやってくれましたね~バカ試合(苦笑)何と表現してよいのやら…という感じで、評価に困る試合ですが、
試合前に思っていた「スパーズらしい」試合を!という期待にだけはしっかりと応えてくれましたね。違う意味での「らしさ」ですが(笑)

■開始10分でプラン崩壊
昨季王者との試合に臨むに当たって「必要以上に守備的には行かない」とレドナップは語っていましたが、流石に敵地で2トップを選択し、
攻撃的に…とは望むべくもなく、大方の予想通り4-4-1-1で手堅い布陣を組んできました。ラフィーが出場停止だったこともあって、
ラフィーの位置にモドリッチを置き、両翼にはスピードのあるレノンとベイル。まずはしっかりと守り、隙をみてカウンターで一発カマして
勝ち点を持って帰ろうという算段だったでしょう。しかし、レドナップが描いた青写真は開始早々の失点と、それに続く退場劇によって
もろくも崩れ去ります。試合への入り方を完全に失敗し、一気に劣勢に立たされる展開に。序盤の出来が酷すぎたのが何とも悔やまれます。

まずは開始2分。サネッティ、コウチーニョ、エトーの3人が素晴らしい連携から右サイドをものの見事に崩され、サネッティに決められます。
コウチーニョの動き出しが巧みで、ハットンがサイドから中央に釣りだされ空いたスペースを使われるという、サイドを使った崩しの
お手本のような綺麗なゴールでしたね。決めたのがサネッティっていうところがまたね。インテルに勢いをつけてしまった感もあるよな…。

ここまではまだそれほどダメージも無かったと思うんですよ。開始早々の失点でマズかったけど、時間はたっぷりあるわけで、
当初のプラン通りに試合を進めよう!と、もう一度気持ちを切り替えればいいんですから。ただ、息つく間もなく攻勢をまともに受けて
早々と追加点を献上したのが痛かった。しかも、その点の取られ方がお粗末というかね。スナイデルの中央からのロングスルーパスを
ビアビアニーとエコトがヨーイドン、出遅れたエコトが追走し、ゴメスも飛び出し、両者で挟み込んで倒してしまい痛恨のPKを献上。
この場面、確かにスナイデルのスルーパスのスピードとかパスの強さ加減が絶妙だし、ビアビアニー(初めて見たぞ、こいつ)の
スピードももの凄くて見事なんだけど、エコトのポジショニングが中途半端というか、反応が遅れてるのがねぇ。ミスだよなぁ…(汗)


主審は最初エコトにレッドカードを提示も、副審との協議の末にゴメスに変更。頼れる守護神が開始10分で退場という最悪の展開に…。
エトオは退場するのはこいつだよ、こいつ!とゴメスを指さしてましたが、君が正解!(笑)確かに引っかけたのはゴメスです、はい。
ちょっと厳しい判定かな?PKも与えるんだしイエローでも…とも思うんだけど、エリア内での決定機阻止なのでいたしかたなしかな…と。
しかも、交代して下がったのがモドリッチ。期待していたんだけど、わずか10分で彼が見られなくなるなんてあまりに寂しい。無念。
急遽登場のクディチーニもコースは読んでいたもののエトオのPKを止められず、あっさりと0-2に。強い、強いぞインテル。キィーー!(悔)

意気揚々と乗り込んだものの開始10分余りで2点のビハインド、しかも数的不利の10人で残り80分余りを戦わざるを得ないという
なんとも信じられない悪夢のような光景に、ここでわたくししばし絶句…。どうすりゃいいんだ?と絶望感でいっぱいになりながらも
反撃を信じて見守るわけなんですが、インテルの猛攻はやむ気配が無い。3分後にはこれまたワールドクラスの技術と連携を見せつけられ
3失点目を喫する。マイコンの楔をスタンコビッチが絶妙なトラップからエトオとのワンツー挟み、また抜きシュートでカルロ一歩も動けず。
これが凄いのなんのって。スタンコビッチ巧すぎだろ(笑)エトオも。もうね、笑うしかないもんね。こんなにあっさり中央割られるか?
この後もコウチーニョのスルーパスに反応したエトオがギャラスをあっさりと振り切り、カルロの飛び出しもなんのそのの追加点。
エトオは今季調子良かったらしいんですが、ノッてる時ってのはこういうシュートが枠の中に転がっていくものなんですよね。
決してカルロの飛び出しが悪かったわけじゃないんです。タイミングもバッチリだったし。でも、入っちゃう。エトオの日なんだろうな。

あれよあれよの4失点で完全に試合の大勢は決してしまった感がありまして、あわよくば勝ち点をゲット!と期待したトッテナムファンは
落胆ムードで一色になったことでしょう。高いチケット代と渡航費払ってイタリアに乗り込んだであろうサポーターの胸中はいかばかりか…。
確かに今季のトッテナムはバックラインに多少の不安を抱えています。キング、ドーソン、ウッドゲイトは負傷離脱してるし、
ギャラスが加入したとはいえ連携はまだまだでバソングとのコンビは盤石ではない。でも、ここまでいとも簡単に崩されようとは…。
いつもは表情変えずに戦況を見守る指揮官レドナップも、流石に堪えたかタッチライン沿いで茫然自失といった感じで目も虚ろ。
4点リードで無理をしなくてもよいインテルは余裕のボール回しで、粛々とゲームを進めて4-0のままハーフタイムを迎えます。

■王者の油断、ベイル意地のハットトリック
前半を終えて0-4。もはや勝ち点を持って帰るどころの騒ぎでは無く敗戦はほぼ確定的。インテルは無理する必要は全くないわけで、
攻める気なんて皆無。対するトッテナムも数的不利で攻めに出て更に失点を重ねようものならグループステージの今後の戦いに影響を
及ぼすどころか、精神的ダメージは甚大でリーグ戦にもショックを引きずりかねない。よって、リスクを負って攻める気配は無い。
お互いに攻める気が無いとなると当然試合は弛緩した空気が流れるわけで、巧く時間を使おうとするインテル、最低限のリスク管理だけは
怠らず、このまま終了でもやむなしのトッテナムという感じで退屈な展開になりかけます。ベイルがカウンターからの独力突破で
一矢を報いたものの試合そのものの流れにはそれほど影響は無く、トッテナムファンのせめてものの慰め程度にしかならなかった。
クラウチに代えてキーン、ハドルストンに代えてパラシオスという交代策も反撃に転じるそれではなく、むしろ週末のリーグ戦を見越しての、
或いは出場機会が無かった選手の試合勘を取り戻す為の消極的交代策にしか映らなかった。攻める気ならニコ、パブらを入れるはずだ。
だが、指揮官のそうした選択もやむを得ないかな…と思う。だって、3~4点差を追いつけるとは普通に考えると思えないもんね。

少なくともこの時点ではこのまま試合が終わるんだろうな~と思ってました。ああ、やっぱりインテル強いな~と。だが…。

インテルは余裕綽々でコウチーニョをボランチ起用してみたり、サムエル入れて3バックに変えてみたりとテストの色合いを濃くしていく。
いや、実際は良く解らん(普段はセリエAの試合はほとんど観ないので、インテルがどういう風に戦っているのか詳しく知らんから)のだが、
解説の人がそういう風な事を言ってたように記憶している。それで微妙にバランスを崩してる…と。トッテナムにもチャンスが来るぞ…と。
本当かよ?と半信半疑だったんだけど、実際にわずかばかりだがチャンスを作れ始めてきていた。前半はただ耐え偲ぶだけだった
トッテナムがパスを繋ぎ相手陣内に迫る回数も増えてきた。(少しだよ、ほんの少しだけど)流れが変わりつつあったのだ。

それが王者の油断か、戦術的な失敗だったのかはハッキリとは解らない。だが、手負いのトッテナムが信じられないような反攻を見せる。
自陣でカットしたベイルが味方にはたき自らは前方へ猛然とダッシュ。再びボールを受けるとマークにきたサネッティらをあざ笑うかの如く
ぶっちぎり左足を振り抜くとゴール右隅に突き刺さる。名手J・セーザルもお手上げのファンタスティックなゴール。素晴らしい!

1点目のカウンターからの突破とほぼ同じ形でまるでデジャブのように感じたけど、ベイルのスピード、突進力、決定力が抜群だった。
サネッティをぶっちぎったんだからね。あのサネッティを。しかもゴールを守るのJ・セーザルよ。もう、たまらんですよ。最高!

で、そこで終わらんのがベイルの凄さ。レノンがボールを奪取して作った絶好のお膳立てを、冷静にまたしても右隅にねじ込み3点目。
なんとなんとのハットトリック!。最大4点あった点差が、ベイルの鬼神のような働きぶりで1点差に詰まってるではないか。
まったく信じられん選手ですよ。普段彼の働きぶりを見慣れているので、これぐらいやってくれる才能があるのは解ってるんだけど、
まさかCLの大舞台で、しかも相手がインテルでジュゼッペ・メアッツァ(僕はサン・シーロというほうがしっくり来るんだけど…)で、
味方が攻める気配が無い中で、サポーターのほとんどが諦めかけている状況で、ほぼ彼一人の力で3点もぎ取って見せるとは!
神様、仏様、稲尾様(若い人はなんのこっちゃだろうが…笑)ならぬ、ベイル様ですよ。世界中に衝撃を与えたことでしょうね。
プレミアを普段観ない人にとっては今までは知る人ぞ知る…ってレベルの知名度だったと思うんだけど、これで一つ階段昇ったかもね。
いやいや、たいしたもんです。ふがいない戦いぶりで凹んだ気持ちをこの3ゴールが吹き飛ばし、どれだけ救ってくれたことか…。

確かに試合全体を通してみれば力の差は歴然としていたと思います。まだまだトッテナムが未熟で成長途上のチームだと実感したし、
ヨーロッパを戦う上で課題は山積みだ。活躍したのだってベイルだけで、彼の働きが無かったら打ちひしがれた想いだっただろうし、
4点のビハインドだったからこそ、生まれた3点だったかもしれない。それでも、0-4の状況から3-4まで持っていったのは紛れもない事実。
内容は完敗。それでも、最低限の反攻は見せた。このまま終わらないんだというトッテナムの、ベイルの意地は存分に示せたように思う。
次の試合はすぐにやってくる。幸か不幸か、またしても相手はインテルだ。ホーム、ホワイトハートレーンで同じ轍を踏むわけにはいかない。
この結果を十分に反省し、修正する事が大切だ。そしてこの経験を糧に、前へと進む力に変えて欲しい。それが出来るチームなのだから。

今日のGood ベイル。苦しい展開の中で、驚異的なパフォーマンスでハットトリック。チームを奮い立たせた。
今日のBad  ギャラス。彼だけの責任では無いが、守備陣を引っ張っていく事が期待される選手だけに残念な出来だった。

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ルーニー獲りに参戦(笑)

先日、マンチェスター・ユナイテッドのファーガソン監督がチームの絶対的エースであるルーニーが移籍希望を持っている事を明言し、
現地メディアは騒然となっていますね。どこもルーニー移籍か?の話題で持ち切りで早くも冬の移籍に関する憶測が飛び交っています。

Rooney would be Tottenham target (telegraph)
指揮官レドナップは移籍の可能性が取り沙汰されるルーニーへの興味に関して、さっそくジョーク交じりに言及しています。
こりゃ、早速ルーニー獲得の可能性について会長と話さないといけないな(笑)まぁ、かなり実現性の低い話ではあるがね。
ファーガソンのインタビューを見ていないので何とも言えないが、彼のことだから率直にオープンにした方がいいと判断したのだろう。
ファンは戸惑っただろうが、そもそもフットボールはファンの為のもの。ファンは何が起こっているかをきちんと把握するべきだからね。

トッテナムがルーニーを獲得する可能性があるかって?無いとは言えないだろう。彼自身がイングランドを出たいか否かによるがね。
だが、いずれにしろ彼ほどの選手が市場に出たとしたならば関心を示さないのは嘘だろう。当然、多くのクラブが名乗りを挙げるはずさ。
私だって彼が欲しいさ。ファンタスティックな選手だし、(ここ数ヶ月は不調だとはいえ)偉大な選手だという事実は変わらないだろ?

ルーニーには残り18ヶ月の契約が残っているが、それが過ぎれば彼はフリーだ。現在£5000~6000万ほどの価値があるだろう
選手がフリーになるとしたら信じられない事だろうね。クラブとしてはたまらんだろうが、残念ながら選手に主導権があるのが現実だ。
より良い契約を引き出す為に契約延長交渉を引き延ばすことだって出来てしまうし、クラブだって契約延長出来なければフリーで
手放さざるを得ない…というわけだ。クラブに出来る事といえば、より良い条件のオファーを提示し続ける事ぐらいだからね。

これからの18ヶ月間はどんな事だって起こり得ると私は思うよ。ただ、一つハッキリしてるのは彼にとって難しい決断になるという事だ。
彼にとって偉大な監督がいる、マンチェスター・ユナイテッドより素晴らしいクラブを見つけられるかどうか?簡単では無いはずさ。
私には彼らの間に現在、何が起こっているのかは正直言って解らない。ただ、このような状況になっているのは残念でならないね。
(レドナップ)

ま~たメディアが速攻で喰いつきそうなコメントを言うんだから!(笑)この爺さんサービス精神が旺盛というか、なんというか…。
まぁ、ルーニー獲得への関心自体が完全にジョークの範疇で、大の仲良しであるファギーの困惑ぶりを憂いているだけな気がします。
もちろん、ルーニー自身が強く移籍を希望して今後ある程度の強行手段に打って出る事は現実問題としては可能なわけですから、
レドナップが言ってる通り、今後の18ヶ月以内に彼の獲得を巡っての一大騒動が巻き起こるのはもはや避けられないでしょうけど。
ファギーには恩もあるだろうし、ルーニーがそういう暴挙に出ないであろう事は想像出来るけども、マンUとしても移籍を志願する
選手を無理に引き留めておいても益が無いのは解ってるはずで、過去にはベッカム、C・ロナウド、テベスをそれぞれ状況は違えども
ほぼ絶頂期に手放している事実を踏まえても、ルーニー放出に踏み切ったとしてもなんら不思議では無いかな…という気はします。

で、気は早い(とりあえずマンUからの移籍を前提として)ですが、ルーニーの移籍先はどこか?そして、いつか?は注目です。
というのは、トッテナムが獲得云々はともかく(笑)直接的では無くても、間接的にかなり大きな影響があると考えられるからです。
あくまでトッテナム目線でこのルーニー移籍騒動がトッテナムに及ぼす影響を幾つか考えてみたいと思います。
※勝手に移籍する事を前提として語るのでマンUサポーターの方は不快に思われるかもしれないが、悪意は無いので予めご理解頂きたい。

●移籍時期
契約期間は1年半余りとなってることから、(例え移籍先でCLに出場不可だとしても)今冬の移籍という可能性は十分に考えられます。
マンUとしては当面は引き留めに全力を挙げながら心変わりを待つ方針でしょうが、フリーになる危険性を踏まえればそこまで猶予が無い。
出来るだけ高額の移籍金が見込める早い段階での放出が既定路線かもしれません。ここら辺は今後の起用法で少しは見えてくるかな…と。
今冬移籍となれば、彼の獲得を狙うクラブとそのクラブから溢れた選手を狙うクラブ間で玉突き移籍が発生する可能性が出てくる。
今夏の移籍市場でFWの獲得を失敗し、今冬の市場でFW獲得を狙っているであろうトッテナムにとってこの状況は見過ごせない。
トッテナムのルーニー獲得の可能性は法外な価格が予想される移籍金、週給を考えれば限りなくゼロに近いので、彼が動く事で
発生する二次的な動きに巧く便乗して市場を立ち回ることで、意外な選手を思わぬ価格で獲得…という流れになるかもしれない。

●移籍先
負傷によるコンディション不良やW杯での不振、自身の不倫騒動などが重なり最近調子を落としてるとはいえ、調子を取り戻せば
シーズン20ゴール前後は軽く見込める選手ですし、ゴール以外でも守備をサボらず献身的なハードワークを厭わないプレースタイルは、
どこのクラブだって喉から手が出るほど欲しい人材なはず。これまでの実績、24歳(次の日曜日で25歳)という年齢を考えても
最低でも£4000万ラインだと考えられます。で、それに加えて週給ですが、現在はどれぐらい貰ってんのかな?£10~12万ぐらいかな?
これを更にアップを求めてくるでしょうからね。数年後に導入されるであろうファイナンシャル・フェアプレー制度で一部クラブを
除いて緊縮財政に舵を切っている状況を踏まえれば、移籍先の候補は自ずと4つに絞られると思いますね。というか、4つ以外考えられん。
チェルシー、マンC、レアル・マドリー、バルセロナ。ルーニーを大枚はたいて獲得し、雇えるとなるとこの4つ以外は考えにくい…。
古巣のエバートン帰還や、大不振のリバプールの救世主、ハリーの元でイングランド王国建設などといったドラマは起こり得るはずがない。

まぁ、国外移籍すれば多少なりともライバルが弱体化してトッテナム的には好都合だけど、そんなしみったれた考えは好きじゃない。
ルーニーにはやっぱりプレミアリーグのスタイルが合うと思うし、プレミアリーグで彼を観れないのは寂しいので国内移籍がいいですね。
でも、マンCはFWが明らかに人員過多ですし、テベスに続いてライバルクラブへの移籍ってのも許されるかどうかは疑問だしねぇ…。
そうなると主力の高齢化が顕著なチェルシーかな…という気がしますが、若手育成路線に舵を切ってる感があるしどうなんだろ?
やっぱり一番可能性が高そうなのがレアルってことになるのかな。かつてのオーウェンが辿ったコースに逸れ無ければいいんだけど。
ただ、個人的には好きな選手ですし、生え抜きでは無いけれどもマンUに一生骨を埋める覚悟があるんだろうな…と思っていたから
ちょっと残念かな…と。マンU=ルーニーっていうイメージが強くなっちゃってますからね。他のユニ着てる姿が想像出来ないというか。
でも、一転マンU残留宣言が飛び出すかもしれんしね(笑)こればかりは解らんので、今はすべて憶測ですけれど…。

ということで、ハリーが獲得レース参戦だ!って冗談かますもんだから、巷でホットなルーニー騒動に便乗してみました(笑)

なに?横道に逸れてないであと数時間後に迫ってるCLの大一番、昨季欧州王者インテルとの一戦のプレヴューでもしてろ!って?
もうね、こればかりは恐れず、トッテナムらしいスタイルで思い切ってぶつかるべし!としか言う事がないので割愛します。
ちょっと忙しくてプレヴュー書いてもコメント返信するのが試合終わった後になりそうだし、マッチレポも遅れそうなので…。

我らがトッテナムのCL直前の詳細な情報はこちらで → スパーズジャパン
試合直前プレヴューはスパーズサポの同士のgoodspeedさんのブログで→ Fun!!Footba!!

と、無責任に丸投げしたところで(笑)僕は試合に備えて寝ます。マッチレポは少々遅れるかもですが、気長にお待ちくだされ(謝)

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【第8節】 トッテナム vs フルアム

イングランド・プレミアリーグ10/11 8節

Fulham 1 - 2 Tottenham 
         
Stadium:クレイブン・コテージ

              前半   後半   合計                               
WBA  1  0  1             
トッテナム  1  1  2
得点
Spurs:パブリュチェンコ、ハドルストン
Cottagers:カマラ

1011 8
Sub:Cudicini , Jenas , Kranjcar , Keane


今季開幕7戦で無敗と堅実なフルアムのホーム、クレイブン・コテージに乗り込んだ一戦は両軍譲らぬ攻防の末に2-1で逆転勝利。
決勝点こそ主審の疑惑の判定に助けられた感はあるものの、難敵を退ける非常に価値ある3ポイントの奪取に成功しています。

この試合はPC観戦だったのですが、映像が途切れ途切れのコマ切れで、全体を通してしっかりと把握できているわけではないので、
今回のマッチレポは印象ベースの雑感に近いものになってしまうのをご了承くださいと、言い訳を用意したところで先に進めます(笑)

■失点直後の同点弾
試合への入り方はとても良かったように思います。序盤からさっそくベイルが仕掛けてパブの決定機を演出して口火を切ると、
小気味よくボールを動かして優勢に進めていた印象。何分時折コマ送りのような映像になってしまうので、流れが掴めなかったんですが、
お互いが割とオープンに攻め合う序盤戦でした。この日は左にベイル、右にモドリッチを配して、セントラルは先発デビューとなった
サンドロとハドルストンという形。モドリッチは中央に寄り気味で、右からの攻撃はサイドバックのハットンの攻め上がりが中心で、
エコトもかなり高い位置に張っている場面が多かったような印象。両SBが押し上げることで攻撃に厚みを出しつつ、コンパクトに保つと。

対するフルアムはまずは早めに前線のカマラに当てて、中盤のデンプシーとデンベレがサポートする攻撃が中心のようでしたが、
これがシンプルながら効果的でなかなかに脅威でした。特に面白いと思ったのがデンベレで、独特のリズムがあって足下の技術も高い。
ボールを受ける動き出しやパスの捌き方が巧みなので、トッテナムの中盤はこのデンベレを捕まえるのに苦労していた印象です。
自陣深くでのFKやCKからヒヤリとさせられる場面も幾つかあり、ハンゲランのあわやのヘッダーなどは完全にやられた!と思いました。

モドリッチのクリアミスであわやの場面や、サルシドのミドルシュートなど決定機の回数はフルアムの方が多く、次第に劣勢になると、
30分、遂に先制を許す。S・デイビスのパスをエリア内への絶妙な走り出しで受けたデンプシーがキングらのマークをかわして折り返し、
待ち構えていたカマラが押し込む。この場面、若干ギャラスが中途半端でした。パスが入った時点でカマラとデンプシーがクロスする形で
エリア内でバラけたんだけども、デンプシーはキングがケアしててハットンも近くでサポートしてたので、ギャラスは思い切って
カマラについていても良かったような気がしました。あそこら辺は判断が難しいところですけど、ギャラスとハットンの連携が
もう少し巧く取れていれば防げた失点かもしれません。ただ、デンプシーの危険な位置へ入ってパスを受ける動き出しが巧かった。

堅守を誇るクレイブン・コテージで先制され、こりゃ厳しくなったな…と思っていた矢先、これ以上無いタイミングで同点弾が生まれる。
失点してからわずか1分後、ラフィーが放ったループシュートがクロスバーに当たった跳ね返りをパブが押し込んで振り出しに戻す。
すぐに取り返せたのが大きかったですね。ベイルからのクロスをトラップして、苦しい体勢からでもシュートを放つラフィーの
テクニックは本当に凄いですし、パブもよく詰めた。ラッキーな形ではあるけれど、しっかりとあの位置に詰めていた事が素敵です。
ラフィーが比較的中盤の主導権争いに吸収されて為に、パブは前線で孤立してる時間帯が多かったけれど、彼なりにモドリッチが空けた
右サイドのスペースに流れてボールを受けて起点になる働きを黙々とこなしていた。今日のパブは評価に値する出来だったと思います。

同点に追いつき、意気上がるトッテナムでしたが、前半終了間際にキングが負傷で退くアクシデント。これは残念でなりません。
懸命に足を延ばしてカットが仇となり、無念の交代。見た感じ爆弾を抱えている膝をまたやったかな…と。軽傷であればいいのだが…。

■先発デビューのサンドロは及第点
この試合の楽しみだったポイントの一つとしてはこの日がリーグ戦で先発デビューとなったサンドロではないでしょうか。
ここまではあまりチャンスが回ってこなかったんですが、この日はいよいよ先発に抜擢で彼自身も燃えていた事でしょう。

残念ながら戦術的な理由で前半45分間のみの出場に留まりましたが、僕は彼の出来自体にはあまり悪い印象は持ちませんでした。
積極的に前に突進してシュート放ったり、ピンチの芽を摘もうと懸命にスペース埋めていたので。イエロー一枚こそ貰ったけど、
守備的MFのポジションはカード恐れてちゃ何も出来ないのでね。ただ、完全にフィットしていたとはいえないし、まだまだこれから。
現段階ではハドルストンやモドリッチ、ジーナスらを押しのけてレギュラーに定着するのは難しいかな…と。でも、こうして機会を
与えられた時にしっかりとアピールするのが次に繋がると思うし、少なくともこの日の出来はガッカリさせられるものでは無かったです。

■後半頭からのレノン投入にみるレドナップの変化
前節のアストンビラ戦もそうでしたが、今季(というか昨季の終盤から)の一つの特徴として、レドナップの采配(特に交代策)に顕著な
変化が見られるということです。レドナップってサイドライン際に常に立って身振り手振りで支持を出すといういうタイプでは無く、
静かにベンチに座って戦況を見守るタイプで、ほとんど表情すら変えずこの爺さんまさか寝てるんじゃないだろうな?と勘繰りたくなる
ぐらいに地蔵のように動かない印象だったんですよね。事実、昨季のマッチレポを読み返しても、交代策の遅さに何度か触れている。
しかし、今季はかなり決断が早いというか、シビアにスパっと変化させる大胆さが見られるようになってきたように思います。
前節のビラ戦では前半4-4-2で上手くいかないと見るや、後半からガラっと4-4-1-1に変えてバランスを取り戻し、勝利にこぎつけたが、
この日はシステムこそ同じものの、後半頭からレノンを投入し、モドリッチを中央に移す決断を下し、目に見えた改善に成功している。

ラフィーが入ったことでレドナップ自身も変化をつけやすいのかもしれないが、豊富な駒を有するチームだからこそ求められる柔軟な采配で、
しかも、しっかりと結果を残しているのは高く評価すべきと感じます。前半にモドリッチの右サイド起用が思うようにハマらず、
サイド攻撃が活性化しなかったのをレノン投入で改善し、左右のバランスが良くなった。レノンも次第に復調してきて上向き気配で、
ベイルが後半は今一つの出来だったのをあまり感じさせませんでした。個人的には不遇のニコやキーンを使って欲しいとは思うんだけど、
この日はキングが早い段階で負傷交代というアクシデントがあったので、ちょっとチャンスが無かったのが残念ではありましたね。
CLインテル戦も控えているし、チームのバランスを第一に考えて現状でベターな選択肢をチョイスしている印象なので、不満はないです。

■ハドルストンのゴールはオフサイド?
最後に決勝点となったハドルストンのゴールについて。CKのこぼれ球を思い切ってミドルを放った素晴らしいゴールだったわけですが、
ギャラスがオフサイドポジションに居た為に、最初はラインズマンの旗が上がってオフサイドの判定でした。しかし、その後に主審と
協議をした結果、改めてゴールが認められるという非常に珍しいパターンだったように思います。最初はなんでオフサイドだよ!と
思ったんですがリプレーの映像を見てみると、かなり微妙(というか厳密に言えばオフサイドだと思います)な判定でした。

ハッドのシュートは直接決まって、オフサイドポジションにいたギャラスは触れてはいないんですが、なんとか触れようと足を伸ばし、
プレーに関与してるのは明らかです。ギャラスがプレーに関与していたかどうか?が焦点で、現地メディアも議論の的になってますが、
あれだけGKに近い位置でボールに絡もうとしてる時点で(触れたかいないかに関わらず)オフサイド判定されてもしかたいと思いますね。
ただ、ラッキーな事にゴールが認められ逆転に成功。結果的にはこれが決勝点となり、勝ち点3に繋がったのでなんとも複雑だけども、
これもまたフットボールの一部なので、こういうこともあります。なんだか、今季は判定に恵まれてる場面が多い気がするけど(苦笑)

ということで、拮抗した試合展開、しかも微妙な判定で辛くも逃げ切った感があり厳しい試合でしたが、クレイブン・コテージでの
勝利は2002年以来だそうで何よりです。フルアムは今季初黒星なわけですから、この勝利がいかに大きかったかは言うまでも無い。
接戦を制してのリーグ戦連勝で少しだけ軌道に乗ってきた感があるし、試合を追うごとに1トップの形も様になりつつありますね。

今日のGood ハドルストン。判定は微妙も、思い切ったミドルの決勝弾は見事。攻守に渡って存在感がある、グッドパフォーマンス。
今日のBad  該当者なし。とりたてて酷いパフォーマンスの選手は見当たらなかったように感じたので今回は該当者なしで。

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復活を期すクロアチアトリオ

昨季、リーグ4位の大きな大きな原動力となったクロアチアトリオ(モドリッチ、クラニチャール、チョルルカ)。そんな彼らが苦しんでいる。
予選で敗退し、惜しくも出場を逃していた今夏に行われた南アフリカW杯の悔しさをリーグ戦でぶつけてくれることを期待していたのだが、
3人ともクラブでは思うように結果が残せていない(というか、ニコに至っては満足に出場機会を与えられてさえいない)現状だ。
それぞれに直面している問題は違う。だが、昨季にチームを支えてくれた3人の復活無くして、今季再びの躍進は無い。僕はそう思う。
どんな時でもプロとして真摯に取り組み、チームの為に献身的にハードワークする事を厭わない、彼らのプレースタイルが僕は好きなのだ。
もがき苦しんでいる現在だからこそ、敢えて彼らの現状を取りあげたい。今日のテーマはこれだ。「クロアチア3人衆復活への道」


まずはモドリッチ。彼についてはそこまで心配はしていない。左サイド起用が中心だった昨季から、一列下がってセントラルMFを
任されている今季はゴールやそれに直結するようなプレー自体が減っているので、なんとなく物足りないような気がしてしまうが、
攻守に渡ってチームのバランスを保つ役割は十分にこなしている印象だ。自由にポジションを変えながら攻撃のタクトを揮う
ラフィーの大活躍を裏で支えているのはモドリッチの献身的な働きに他ならない。フィジカルコンタクトが激しいプレミアの舞台で
ともすれば華奢な体つきの彼にはセントラルMFの位置は厳しいのでは?という意見は今やほとんど目にする事は無くなった。
度重なる負傷でコンディションは万全では無い事を本人も認めているが、そこまでプレーのクオリティが落ちていないのは流石だ。

懸念された守備面でも及第点の働きは見せている。流石に局面での激しい当たりに負けることはあっても、彼は決してひるまない。
ボールを奪われても必死で追いかけ、奪い返し、素早い攻撃へと繋げていく。左サイドを主戦場とした昨季以前もゲームメークには
定評があったが、中盤の底に場所を移した昨季終盤~今季にかけて、より彼の持ち味である「試合の流れを作る能力」が前面に出てる。
個人的にはもう少しゴールに近い位置でFWと絡む彼を見たいし、バランサーとしての役割に徹し過ぎている感もあるけれど、
彼自身もラフィーとの共存を楽しんでいる様子。深い位置からゲームメークするモドリッチに、フィニッシャーの趣がより強いラフィー。
この辺の棲み分けが今のところは機能しているが、今後もそれを押し出していくのか、モドリッチとラフィーが巧みに位置を入れ替え
新たな可能性を見せてくれるのか、はたまたニコを加えてのトリプル司令塔の共演が実現するのか。今後ますます楽しみではあります。
いずれにしろモドリッチが今季もチームの軸であるのに疑いの余地は無い。現状では70%ぐらいだろう。彼の本領発揮はこれからだ。


お次はチョルルカ。こちらは開幕からよもやの大不振。不動であった右サイドバックのレギュラーポジションをハットンに脅かされている。
トッテナム加入以降、その堅実でクレバーな守備でバックラインの安定をもたらしていたし、その貢献度の高さから昨季は影のMVPに
推す声すらあったぐらいだ。そんな彼が今季は不安定で、簡単に裏を取られてピンチを招いたり、ポジションどりが中途半端だったりで
非常に「らしくない」。センターバックに故障者が相次ぎ、急遽センターバックとして出場を強いられていることや、連携面での不安など
決して彼自身だけの責任では無い面もあるが、そういう面を差し引いても今季ここまでの出来はお世辞にも褒められたものではない。

昨季は痛めた足首に痛み止めの注射を打ちながら強行出場を続けた末、終盤には遂に離脱。今夏のプレシーズンはリハビリに費やした。
復帰後もフィジカルコンディションが十分に整わない中で、クラブ、代表と出場している為か、なかなか調子が戻りきっていない印象だ。
ここ数試合ではサブに甘んじているが、本人はレギュラー奪取に虎視眈々で決して腐ってはいない。彼の力強いコメントを是非紹介したい。
自分の調子が著しく悪いとは思ってないよ。ここ数試合はベンチから試合を見ているけれど、僕よりも優れてる選手だって同じ様に
ベンチに座っているんだからね。これぐらいの事で凹んでられないよ。ブレーメン戦の出来は悪かった。言い訳出来ないくらいにね。
でも、僕は3年間休みなしでプレーを続けてきたからね。長い人生、こういう時期だってあると受け入れてる。ドラマとは訳が違うんだ。
今までは順調だった。ただ、今の状況はコインの裏というだけさ。でも、近いうちに必ずや元の居場所を奪い返してみせるよ。
(チョルルカ)
攻撃参加が得意なハットン、力強い守備と突進が魅力のカブール、ローン中ではあるが若手で伸び盛りのノートン、ウォーカー。
多彩な顔ぶれが揃いレギュラー争いが熾烈な右サイドバックではあるが、調子さえ戻ればチョルルカがその最右翼であるのは明白だ。
今は彼にとって苦しい時期だが、心の炎は消えていないどころか燃えている。”チャーリー”の完全復活は近い。そんな気がする。
まずは巡ってきた機会をしっかりモノにすること。リーグ戦か、はたまたCLか。いずれにしろ彼の堅実な守備が躍進には不可欠だ。


最後にニコ。個人的に一番心配しているのが彼の置かれている厳しい状況です。今季開幕以降、リーグ戦では出場わずか2試合に留まり、
そのいずれも交代での投入。大幅にメンバーを落として臨んだカーリング・カップのアーセナル戦も延長戦での短い出場に限られた。
CLではプレーオフ含めて3試合出場も、全て途中出場で短い時間しかプレーしておらず、序列の低下は明らかで、サブに甘んじている。
出場時間の少なさと比例して彼自身のプレーも精彩を欠き、敗戦したウィガン戦こそ素晴らしい働きで存在感を示したものの、
その他の試合では彼らしい思い切りの良いプレーは影を潜め、無難なプレーに終始してしまっている。昨季はチームを救う決定的な仕事を
何度も見せてくれた彼だけに、今季ここまでの不遇ぶりが不憫でならないし、あの爽やか過ぎる笑顔が見られていないのが残念です。

確かにチャンスが与えられないのはある程度は仕方ない面もある。アタッカーのポジションにはラフィーが加わり、モドリッチもいる。
ベイルの左サイドのMF起用が固定化されつつある今季、同じ左サイドを主戦場とする彼にはなかなかチャンスを与えづらい状況なのだ。
ベイルはここまでコンスタントに結果を出しているので外すのは考えにくいし、他のポジションも埋まっているとなれば覆すのは困難。
右よりも左サイドでのプレーが適しているとレドナップが示唆したことから、今後も簡単にはチャンスが巡って来そうに無いのが現状だ。
こうした状況をメディアも敏感に反応し、今冬にも移籍か…と騒ぎ立て始めた。ニューカッスルへのローン、はたまたエバートンの
ピーナールとのスワップ、セリエAの複数クラブが触手…etc 様々な雑音が日増しに大きくなる中で、レドナップはあくまで構想内であると
強調しているが、同時に現段階ではラフィー、ベイルらを優先して起用する方針を示唆しているので、苦しい状況であるのに変わりはない。

しかし、当のニコ本人は苦しい状況である事は認めつつも、あくまでトッテナムでレギュラーを奪い返すことに集中している様子。
怪我の影響で始動が遅れ、コンディション不良のまま迎えた開幕直後こそ不甲斐ないパフォーマンスに終始していたものの、
先日に行われたEURO2012の予選ではクロアチア代表を勝利に導く2ゴールを挙げ、復調気配にあることをを大いにアピールしている。
確かにレギュラー奪取への道はかなり険しい。だが、彼の視野の広さや展開力、ここぞの場面での決定力は必ず必要になる時期がくる。
CLの次の対戦相手は昨季の欧州王者インテル。ポジション争いのライバル、ラフィーは出場停止だ。こういう時こそニコの出番ではないか?
確実に調子は上向き気配、ポジション争いのライバル不在、相手はこれ以上無い強敵。リベンジの舞台は整った。いざ、完全復活へ…。
チャンスが来れば自らの力で必ずや期待に応え、サポーターを安心させてくれるに違いない。俺を忘れるな!と。その姿を僕は待っている。

そして、忘れちゃいかん4人目のクロアチアンであるプレティコサ。彼もまた今夏の加入以降、ここまではチャンスが来ていない。
しかし、GKというポジションの特性上、これはなかなかに難しい。しかし、腐らず耐えてしっかりと準備を怠らず、その時に備えて欲しい。

ここまでイマイチ波に乗れないトッテナム。それと足並みを揃えるかのように不調にあえぐクロアチア3人衆(プラスワン…笑)の
コンディションと本来のパフォーマンスが戻ってきた時、きっと怒涛の反撃が、常勝街道へのライドオンが見られるのではないだろうか。
週末のクレイブン・コテージでのフルアム戦。それに続くCLのインテル戦。彼らの復活へのキッカケを掴む一戦になる事を心から願う。

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ハリーのジレンマ

今夏の移籍市場最終日、しかもデッドラインギリギリでレアル・マドリーから電撃的に加入したラファエル・ファン・デル・ファールト。


リーグ戦4試合3ゴール、CLでは2試合で1ゴール。もっかチーム一の得点者である。チャンスを確実にモノにする決定力もさることながら、
その視野の広さとパスセンスで攻撃を牽引しながらゲームメイクまでこなす、そのプレースタイルは早くもチームにとって欠かせない
戦力になりつつある。プレミアリーグ初挑戦、しかも加入間もないが故の連携面での不安を踏まえれば、ここまでの彼の活躍ぶりには
正直驚きを禁じ得ない。いい選手であることは解っていたつもりだ。スパーズに久しぶりに加わったワールドクラスのビッグネーム、
当然期待は大きかった。必ずやスパーズに新たな力を加えてくれるだろう…と。しかし、加入が決まって間もなくの頃は、ちょっと待てと、
彼は新加入なのだし、すぐさまフィットしての大活躍を望むのは酷というもの、長い目で見なければいけないと思っていたものだ。
加入決定に沸くスパーズファンの喧騒にも若干の距離を感じ、心のどこかで皆と同様に諸手を挙げて喜んでいない自分がいた。

※過去記事 ラファエル・ファン・デル・ファールト獲得 (09/02)

その記事の中で、彼の加入を手放しで喜ぶのは彼が本来の能力を発揮し、躍動する姿が見られてからでも遅くないはずだ…と書いた。
それがどうだ。この無双とも言える程の活躍ぶり。確かにチームはイマイチ波に乗り切れていない。しかし、ここまで彼が出場したのは
わずか6試合だが、サポーターの心を掴むのには十分だった。まさか、ここまで早い段階でフィットして結果を出すとは思わなんだ。
まずは謝ろう。疑ってすまん、ラフィー。いや、まぁ嬉しい誤算だし、むしろネガティブな意見をいい意味で裏切ってくれるのは
いつでも大歓迎だし、いつでも掌返して称賛する準備は出来ていますが(笑)現段階ではケチがつけらない活躍ぶりです。

しかし、(イチャモンをつける気は毛頭ないが…)彼が入ったことで、チームが若干の混乱をきたしたことは紛れもない事実としてある。
メンバーが変わってるので単純な比較はあまり意味を成さないが、一番解りやすく一定の指標となり得る昨季と同じ時期(7戦消化)を
比較対象とするならば、昨季は7試合で5勝2敗、得点17で失点10。(敗戦の相手はチェルシー、マンUでこの2試合で6失点)となり、
今季はリーグ戦の7試合で3勝2敗2分け、得点8で失点が6。上位を争う強豪との対戦がマンCとアストンビラのみという点を踏まえれば
決して満足のいくスタートとは言えないように思う。結果もイマイチ冴えないものだが、それよりも深刻なのがその試合内容の乏しさだ。
怪我人続出で満足にメンバーを固定出来ないバックラインの問題があるにせよ、開幕戦以外の全試合で1失点喫してるのはいただけない。
そして、8得点中、FWが挙げたゴールはパブリュチェンコの1ゴールのみ。ゴールだけがFWの仕事では無いがなんとも寂しい数字だ。

システムも昨季からの継続の4-4-2なのか、新布陣の1トップなのか?今後も状況に応じて併用するのか?未だ固め切れておらず、
チームとしても、また彼自身にとってもベストな形はどういうものなのか?(所謂、彼をどうチームに組み込むか)という命題に対する、
明確な答えは未だ見つかっていないとも思う。もちろん、たかだかリーグ戦は7試合を消化したに過ぎないし、彼が入ってからまだ4戦、
答えを出すにはまだあまりにも時期尚早だが、チームがどう攻め、どう守るのかの方向性を定め、骨格を形作るのは早いに越した事は無い。
この辺がブレていると成績の安定は望めないし、いつまでもラフィーの(彼以外の特定の誰かも含め)個人技に頼るわけにはいかない。
僕はラフィーの活躍ぶりを喜ぶ一方で、システム変更を伴うチームの再構築に対する不安をまだどこか完全には拭いきれないでいます。

今後レドナップがラフィーをどのように起用してチームを固めていくのか?直近のアストンビラ戦後に発したコメントの中に、その問いに
対する答えに通じるヒントが隠されていたように思いました。興味深いコメントだったので抜粋するとともに、今後の展望をしてみたい。
(ベストな布陣を見極めるのは)なかなかに難しい問題だね。仮に2トップを組むと考えた場合、ラフィーをトップ下に置くことになる。
中盤をダイヤモンド型にするということだね。だが、そうなるとベイルを普段やり慣れないポジションに置くことになってしまう。
ラフィーをサイドに配してもあまり意味は無い。常にプレーに関与していたいタイプだし、中央でのプレーをより好むからね。
そうするとチームとして攻守に適切なバランスを保つ事が非常に難しくなってしまう。スペースが生まれると相手はそこを突いてくる。
彼は恐らくプレースタイルを変えないだろう。そして、私も変える事を強制しない。彼はその位置でファンタスティックな選手だし、
ゴールに直結する決定的な仕事が出来る。だからこそ、彼のような選手を最大限に生かすシステムを見つけなければいけないんだ。
(レドナップ)

このコメントの中で注目すべき3つのキーワードがあります。それが「攻守のバランス」「ラフィーのプレースタイル」「ベイルとの共存」

この3つのキーワードを中心にレドナップのコメントを読み解くと、ラフィーを活かすにはあくまでトップ下であってサイドでは無いこと、
当面はベイルを左サイドのMFで起用する方針であること、同じ司令塔タイプのモドリッチとの共存についてはなんら問題を感じておらず、
チームのバランスを重視するならば4-4-2ではなく、4-2-3-1或いは4-4-1-1を中心に考えている…ということになるでしょうか。
もっと極論で言えば、ラフィーがチームの為にプレースタイルを変えるよりも、チーム全体として彼に合わせていく方針ともとれます。

僕はこのコメントを聞いてますます不安な気持ちが増しました(苦笑)薄々感じていたどこか漠然とした不安感の根幹が解ったというか。
確かにラフィーは素晴らしい選手です。それは彼がプレーした6試合で十分に理解出来る。が、彼をアンタッチャブルな存在にして、
言うならば彼と心中というような考え方を監督が持ってるならばそれは非常に危険な兆候ではないか?少なくとも僕はそう思います。
彼が好調ならばそれでいい。だが、彼自身が不調に陥いる時期、研究されて閉塞感に陥る時期はいずれ必ずやってくる。
そうなった時に、彼ありきのシステムを固めたチームが柔軟に対応出来るのか。そもそも、彼が怪我や累積警告などで不在ならばどうする?
現状ではデフォーが不在だが彼が復帰したならばどうする?という問題も出てくる。高さが無いデフォーを1トップに据えるのか?
イングランド代表ではルーニーと縦関係で上手くやってるじゃないか?しかし、ルーニーとラフィーは違う。デフォーとルーニーも。
そもそも現状ではラフィーのゴールはほぼクラウチの高さありき。クラウチからデフォーに変えて上手く機能するだろうか…。

4-5-1がベストというにはここまでの戦いぶりではあまりにも根拠が薄い。まぁ、デフォー不在の現状、ベターな選択肢とは言えるが。
ラフィー自身は中盤ならポジションにこだわらないと語っているが、彼をサイドに置きながら4-4-2で活かす道は本当に無いのだろうか?
昨季の攻守にバランスの取れた4-4-2を支持している僕としてはどうも腑に落ちないのだが、別の形で進化する事に期待するしかない。
だが、もしも1トップをメインに考えているならば、4-2-3-1よりも限りなく4-4-2に近い4-4-1-1のような形で戦う事が理想に思う。
ラフィーが組み立てから参加する中盤の一人としての役割というよりかは、よりゴールに近い(或いは1トップのFWに近い)位置で
ボールに触れる事、すなわちセカンドトップ的な役割に比重を置くことが重要。4-5-1というよりも4-4-2の2を縦に並べるイメージ。

安易なシステム論で片づけるつもりはないが、やはりやり慣れた形、スパーズに合ったスタイルで戦えるシステムを選択するべきだ。
それが4-4-2であると思うのだが、ラフィーを組み込んでの進化を考えているなら昨季からの変更は最小限に留める方がリスクは少ない。
これだけゴチャゴチャ個人的な予測を語ってきたけど、案外しれっと4-4-2も併用しつつで戦っていくのかもしれないけど…(笑)

ラフィーが加入した事でレドナップの中にも生じた起用法へのジレンマ。その答えが出るのはもう少し先になるのだろう。
今後の数試合で結果が出るかどうかにも依存するし、指揮官の信頼がすこぶる高い昨季のトップスコアラーが復帰したら状況も変わる。

10月はCLのインテル戦も挟みながらフルアム戦(A)、エバートン戦(H)、マンU戦(A)と非常に厳しい日程が続いていく。
兎にも角にもいち早くリーグ戦で軌道に乗せなければならない。これ以上の足踏みをしている余裕は無い。数々の不安要素が僕の杞憂に
終わるように願っているし、内容と結果が伴って昨季からの成長を感じられる姿が早く観られる事を大いに楽しみにしています。
そして、ベンチで燻っているキーン、ニコ、ベントリー、パラシオスら昨季の躍進を支えた面々の奮起にも同時に期待したい。

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新スタジアム建設計画に新たな動き

新スタジアム建設計画「ノーサンバーランド・デベロップメント・プロジェクト」の続報が先日、クラブ公式サイトにて発表されました。
それと共に、2012年にロンドンで行われるオリンピックのメインスタジアムである、「ロンドン・オリンピックスタジアム」の大会後の
後使用への申請も行ったという興味深いニュースが明らかになっているので、それについても簡単に触れたいと思います。



まずは新スタジアム建設計画から。トッテナムが現在56,000人収容の新スタジアム建設と、スタジアム周辺地域の再開発を含めた
一大計画である「ノーサンバーランド・デベロップメント・プロジェクト」を進めているのは、皆様もよくご存知の事と思います。
※これまでの経過は当ブログでお届けしてきた過去記事を参照されたし 新スタジアム建設計画 #1~6

新スタジアム建設の具体的な話が出始めたのが約2年前。当初は2012年、もしくは2013年の完成を目指して計画が動き出しましたが、
周辺地域の歴史的建造物の保護や、周辺道路の交通渋滞の懸念等で計画の修正を余儀なくされ、今年5月に修正プランが発表されて、
新たな建設計画を行政機関に申請しました。その申請の認可が9/30に無事に下り、この度計画が一歩前進と相成ったわけです。

Stadium Plans  (tottenhamhotspur.com)
めでたく地元議会から計画の認可が下りた事を受けての会長ダニエル・レヴィのコメントを簡単に箇条書きにまとめてみると…。
・今回地元議会において全会一致で建設計画にGOサインが出た事を喜んでいるし、サポートに感謝している。
・しかし、まだやる事は山積みである。ロンドン市長、国務長官からもGOサインが出なければならないのだ。
・現段階では詳細は明らかに出来ないが、オリンピックスタジアムの後使用にも申請を行った。
・クラブにとって最良なプランは何かを常に模索している。色々な選択肢を持つ事が重要で、今後の進捗は随時お伝えする。
(レヴィ会長)

まずは、地元議会で認可が下りたのは非常に喜ばしいニュースです。ちょっと計画が足踏みしていた印象があったので、少なくとも
この認可を受けて計画が再び前進する事に期待出来ますからね。まだ、幾つか乗り越えないといけないステップがありますが、
トッテナム・ホットスパーそのものの利益に留まらず、周辺地域の雇用、住居、交通…etcを大きく改善する再開発を含む計画ですから、
行政から無用な横やりを入れられて頓挫させられる道理はありません。恐らくはポジティブに事が進むであろうと考えられます。
しかし、今後計画が頓挫する可能性もゼロでは無いし、この計画自体が莫大な資金を要するもの。伝えられるところによると
およそ£4億~4億5000万(現在のレートで約530~595億円)にも匹敵する一大プロジェクトですから、簡単に結論出せる次元じゃない。
(会長以下ボードはビジネス面の手腕が巧みなので、心配は無用でしょうけど…)下手すれば将来的にクラブの財政が逼迫する可能性も
あるわけなので、色々な可能性を模索しつつ、考えうる選択肢は幾つか手元に置きながら慎重に計画を進めていくことになるでしょう。



その色々な「選択肢」の一つとして会長が示唆したのが、ロンドン・オリンピックスタジアムの後使用という仰天プランです。
流石にこのニュースは各方面に波紋を呼び起こしています。というのも、このオリンピック・スタジアムは同じロンドン市内とはいえ、
イースト・ロンドンのストラトフォードという場所で、この移転が万が一実現するとなればクラブ創設以来ノース・ロンドンに根をはり、
存続してきたトッテナムが、その誇りとも言うべきノースロンドンを「捨てる」ことを意味するからです。ホームスタジアムの移転となれば、
激しい反発を招くのは必至。そりゃそうでしょう。トッテナムは今年でクラブ創設128年という長い歴史と伝統を誇っていますが、
それはすなわちノースロンドンの歴史でもあるわけですから。普通に考えれば到底受け入れがたい事実である事は、遠い島国の一ファン
である僕なんかでもよ~く解ります。無理、無理、絶対無理ってのが大多数のサポーターの心境でしょうね。冗談じゃないと。

それとは別に今回のトッテナムの名乗りに困惑し、憤慨しているのがウエストハムです。建設中のオリンピック・スタジアムの場所は、
現在のウエストハムの本拠地であるアップトン・パークと目と鼻の先ほどの距離にあり、ウエストハムはおよそ4年も前から、
オリンピックスタジアムへの移転を検討していることを明らかにし、実際、今年の初めにも移転計画がある旨を明言しています。
当然、9/30が提出期限であったオリンピックスタジアム後使用の申請も済ませており、ウエストハムとしてはトッテナムの参戦は寝耳に水。
自らの縄張りによそ者が横槍を入れてきた事、およそ後だしジャンケンにも似たトッテナムの動きに嫌悪感を露わにしています。
ここら辺は、なんとなくウエストハムの憤慨する気持ちは理解出来ますね。アーセナルがノースロンドンに移転してきて97年ですが、
今の今まで遺恨が続いてる(恐らくは今後も続く事でしょう)事実を考えれば、ウエストハム側が困惑するのもなんら不思議では無い。

Redknapp quiet on stadium preference (telegraph)
ウエストハムでも長らく指揮を執った現トッテナム監督のレドナップは両スタジアムの比較に対する明言を避けました。
お偉いさん同士の話し合いだから、私には解らんよ。会長からは新スタジアム建設の許可が得られたのは聞いたがね。
新スタジアムもオリンピックスタジアムもどちらも素晴らしいじゃないか。いずれにしろ私はただの雇われの身だからな。
何かしら不都合な事を言いたくはないから、黙っておくよ(笑)ただ、ストラトフォードの近くには美味しいパイの店はあるよ。
いずれにしろまだまだ先の話だろ?だいたい、ハマーズのサポーターもアップトンパークからの移転に賛成するのかね?
あそこは素晴らしい伝統と雰囲気を備えたスタジアムじゃないか。もちろん、ホワイトハートレーンにも同じ事が言えるがね。
(レドナップ)

出た!狸親父発言(笑)この爺さん、おしゃべりでペラペラ色んな事を話すけど、肝心要の所は煙に巻くもんね。まぁ、当然か。
イングランドの監督はGM的な仕事も兼任してる場合が多くて、実際ファーガソンやベンゲルのようにかなり大きな発言権や影響力を
持ってるお方もいらっしゃるけれども、こういう一大プロジェクトともなると監督とはいえ、下手な事は言えないでしょうしね。
特にウエストハムとは浅からぬ関係を持ってるレドナップに突っ込んだところで、奥歯にモノが挟まったコメントしか出ないでしょうよ。

今後どのような動きを見せるかは解りませんが、会長が新スタジアム建設計画に並々ならぬ意欲を見せてきた点や、膨れ上がっている
地域住民、トッテナムサポーターの期待を踏まえれば、今回のオリンピックスタジアム後利用の申請は表現は変ですが「ブラフ」である
可能性が高いとは思います。今後の建設計画を円滑に進める為の「駆け引き」というかね。「最悪、移転もありますよ?」とカードを
チラつかせることで交渉を有利に進めようという思惑があるんじゃないかな…と。というか、そうであって貰わないと困るというか(笑)

ちなみに建設中のオリンピックスタジアムは8万人収容ですが、当然陸上トラックがあり、サッカー専用スタジアムではありません。
しかし、トッテナムは仮に移転となれば陸上トラックを潰し、6万人規模のサッカー専用スタジアムへと改修する計画とのこと。
トッテナムは今回の申請に際してAEG(スポーツエンターテインメント会社)とのパートナーシップで動いていますが、AEGの社長は
他にも多くの申請があるので現段階では不明としながらも、「負けるところとは組まない。スパーズが本気になれば他よりも優位に立てる。
ファンの動揺も長期的に考えれば問題にならず、むしろ交通アクセス等の利便性を考えればロンドン有数の立地への移転は支持されるはずで、来るべき30年でイングランドで最高のフットボールスタジアムにする事が可能である」云々かんぬん…との声明を出しています。

一気に過熱した報道で様々な憶測が飛び交っていた為か、クラブもさっそく続報を出し、基本線は新スタジアム建設計画の推進であり、
オリンピックスタジアム後使用への申請はあくまで予備的な措置であることを強調しています。流石にサポーターも困惑してますしね。
さてさて、どうなるでしょうかね。個人的には現在のWHLの場所に新スタジアムを建設する計画を支持していますけど…。

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【第7節】 トッテナム vs アストンヴィラ

イングランド・プレミアリーグ10/11 7節

Tottenham 2 - 1 Aston Villa 
         
Stadium:ホワイトハートレーン

              前半   後半   合計                               
トッテナム  1  1  2            
アストンヴィラ  1  0  1
得点
Spurs:ファン・デル・ファールト2
Villans :オルブライトン

1011 7
Subs:Cudicini , Corluka , Kranjcar , Keane


ホームのWHLに強敵アストンヴィラを迎えた一戦は、先制されながらもラフィーの見事な2ゴールで逆転勝利を飾っています。

■一進一退の前半、クラウチ→ラフィー炸裂
試合全体を通して、どっちに転んでもおかしくないような拮抗した展開だったように思います。お互いにいいリズムで試合を運べる
時間帯があったものの絶好の決定機自体は少なく、そのいい流れの中で生まれた数少ないチャンスを決める事が出来たか否か…?で
最終的に明暗が分かれたという印象です。ヴィラの新監督に就任したウリエは試合後のコメントで「スパーズが勝てたのは幸運」と
負け惜しみをぶちまけましたけど、運だけかどうかはともかくとして、ドローが極めて妥当な展開だったと語ったのは理解出来る。
開幕直前にオニールが辞任(実質解任)して混乱の中でスタートしたヴィラですが、流石に上位争いする力は備わってるな…と感じましたね。

序盤戦にペースを握ったのはヴィラ。前線にはポストプレーに秀でたヘスキーと快速のA・ヤング、サイドには今季成長著しい新鋭の
オルブライトンと堅実な働きぶりが光るダウニングを配し、全体をコンパクトに保ちながらシンプルにサイドを使う戦術を徹底していた。
攻守の切り替えも速く、小気味いいパス回しから試合を有利に進めます。トッテナムはなかなか中盤でボールを奪えず、運動量も少ない為、
奪っても簡単に前線のクラウチの高さを頼ってけっ飛ばす単調な攻撃に終始してしまいます。当然、それだけでは有効な攻撃にはならず。

ペースをつかめないままに16分という早い段階で失点。自陣の深い場所でバソングが不用意な対応でヘスキーにボールを掻っ攫わられ、
懸命に奪い返そうと競り合うものの、ヘスキー自慢の重戦車ドリブルに成す術も無くエリア内侵入を許し、アシストを許してしまった。
あれだけえぐられて折り返されるとゴメス以下、守備陣はお手上げでオルブライトンはただしっかりと詰めるだけで良かった。
もう、バソングが振り切られた時点でアウトですよ。ドーソン負傷、キングは休養、カブール、ギャラスも共にアウトで壊滅的な状態の
CB陣においてバソングは唯一起用可能な本職CBの選手。この日コンビを組んだのは緊急的にコンバートしたハドルストンですが、
元々はCBだったとはいえここ最近はずっと守備的MFとしてやっているのでCBとしての対応には一抹の不安があるんですから、
バソングがもっとしっかりせんといかん。それも自身のミスからボールを奪われ失点に繋がってしまったのはお粗末と言わざるを得ません。
身体能力も高く、普段はかなり安定した守備を見せてくれてる彼ですが、たま~に雑な面を見せるので、ここら辺は改善の余地ありです。

ハッキリ言って20分過ぎくらいまではトッテナムには良いところがほとんど無く、見ていて非常にストレスの溜まる展開でした。
しかし、ようやく25分過ぎくらいからトッテナムもいい形で落ち着いてボールを回せるようになってきまして、次第に反撃に転じます。
先制弾のヘスキーが足に違和感を訴え、カリュウに交代するアクシデントもあり流れがトッテナムに移ると、惜しい場面が幾つかチラホラと。
ベイルのクロスからパブがシュート(相手の手に当たったっぽいけど、あれは取れないだろうな…)や、ジーナスのスルーパスに
ラフィーが反応してエリア内に侵入(ちょっとオーバーリアクションで倒れ過ぎ…笑)など、少しづつゴールの匂いがしてきます。
その一連の時間帯で一番僕が「お!この形いいぞ!」と思ったのが、前半終了まであと5分くらいだったかな?で出た攻撃でした。
ジーナスがピッチ中央あたりから前線へグラウンダーの楔を入れ、それをパブが丁寧にはたき、ラフィーがシュート(GKが弾きCK)の場面。
この一連の流れがとてもスムーズでわずか5秒ぐらいで一気に決定機まで持っていった。2トップと中盤が巧く絡んだ理想的な形でしたね。

このいい流れの中で、最高の時間帯に得点が生まれます。このまま前半終了かと思われたアディショナルタイム。パブがサイドから
クロスをあげるとクラウチの頭にピタリ、クラウチは丁寧に折り返すと待ち構えていたのはラフィー。ヘッダーでねじこみ同点!

これは大きかったですね。1点ビハインドと同点とじゃ後半に入る時の心の余裕が大分違うもんです。パブのクロスが素晴らしかったです。

■クラッテンバーグにモノ申す!
主審のクラッテンバーグのお裁きぶりが非常に気になりました。なんか高圧的というか、神経質というか。ピッピピッピとすぐ笛を吹くし、
リスタートの位置が違うと何度もやり直しをさせたり…が多すぎる。主審のコントロールの仕方って結構重要だと思うんですよね。

見ていて面白いゲームになるのって、お互いのパフォーマンスも重要なんだけど、ゲームを仕切る主審の手腕に依るところも大きいわけで。
せっかくの好ゲームが彼の神経質な笛で水を差された場面は前半も多かったし、後半も何回かあり、イライラさせられましたね。

■修正加えた後半、クラウチ→ラフィー炸裂(アゲイン)
1-1の同点で迎えた後半の頭からレドナップが思い切って動きます。なかなかいい働きをしていたパブを下げて、レノンを投入、
4-4-2から4-5-1へと移行します。サイドが有効に使えなかった(比例して相手のヴィラにサイドを巧く使われていた)の修正の為に、
サイドから仕掛けられるレノンを入れて打開を図ろうという意図でしょうか。パブを下げるのはもったいないような気がしたんですが、
他に誰を下げる?と考えても見当たらないのも確かで。1トップで思うように機能していない試合が続いてたので一抹の不安もあったが、
結果的にはこれがプラスに作用します。レノンが積極的に右サイドから仕掛け、ハットンも少々守備が危なっかしい面を補って余りある
大胆な攻撃参加でレノンをフォローしたので、右サイドが活性化した印象で、右サイドを崩してクロス、ファーサイドで待ち受けるクラウチが
落として、そこに突っ込むラフィーという形でチャンスを作り出せば、ベイルも負けじと逆サイドからラフィーの絶好機を演出してみせる。

黙々とターゲットマンとしての役割に徹していたクラウチも自らヘッダーで狙う(惜しくも枠外)など、前線が明らかに活性化してくると、
75分、遂に均衡を打ち破るエクセレントなゴールが生まれます。決めたのはまたしてもクラウチがヘッダーで落としてのラフィー!
最早、このパターンは昨季のレノンのニアへのグラウンダークロスにデフォーという形と並ぶ黄金パターンになりつつありますね。
ラフィーのシュートまで持っていく一連の動作は素晴らしかったですね。クラウチからの落としをダイレクトに撃つのではなく、
寄せてきたDFをワントラップしていなしたあたりが流石。1点目も見事でしたが、この2点目が珠玉。ファンタスティックな働きでした。

ラフィーのゴールはもちろんですが、そこに至るまでの流れがまた見事でしたね。左サイドでラフィーが下げたボールをベイルが
ジーナスへパス、ジーナスはロングパスをピンポイントで逆サイドのレノンへピタリ、レノンがまた逆サイドのクラウチへクロス…と。
これだけピッチの左右の幅を目一杯に使って、展開されたら守る側は厳しい。このサイド攻撃のお手本のような展開に星3つですよ。
1トップとはいえ、ラフィーがかなりセカンドトップ然としてふるまっていたのも特徴的で、意識的にクラウチとの距離感を近く、
或いは相手ゴールに近い位置でボールを受けていたのが良かったのかもしれません。その分、モドリッチはあまり高くあがらずに
全体のバランスを取る仕事を重視していたし、目立ちはしないけどジーナスも他の選手が輝けるように黒子としての役割に徹していた。
僕はこのジーナスの働きを讃えたいんですよね。ラフィーは素晴らしい、でもその活躍を引き出したのはモドリッチであり、ジーナスでした。

立ち上がりのもたつきから先制され、苦しい時間帯もあったけど、4位を争うライバルの一つであるヴィラをしっかりと叩いたのは大きい。
試合中のシステム変更にも柔軟に対応して逆転出来たのが何よりポジティブかな…と。まだまだではあるけど、レノンも復調の兆しを見せ、
戦術的理由で45分の出場に留まったもののパブもしっかりと役目を果たした。そして、レギュラーを奪い返しつつあるジーナスにハットン。
怪我人続出で苦しい状況でありながら、それもミッドウィークにCLを戦いながらも力強く3ポイント奪えた戦いぶりは見事でしたね。

今日のGood ファン・デル・ファールト。貴重な同点弾に、ファンタスティックな逆転弾。素晴らしい活躍でした。
今日のBad  バソング。急造バックラインで厳しいけれども、1失点は彼の軽率なプレーから。この失敗を糧に次は頼むぞ!

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